対象者・利用料

訪問看護を利用することができる人について

訪問看護を利用できるのは寝たきりの人や医療機器を装着して療養している人だけではありません。新生児から高齢者まで、病気や障がいを持って自宅で療養生活を送っている人ならどなたでも利用できます。
また、
・退院直後で、自宅での療養生活に自信が持てるまでの短期間の利用
・退院前に試験的に外泊する際のサポート
・入院せずに自宅で自分らしく暮らし続けるための見守りやアドバイス

など、訪問看護は心身のケアだけでなく健康的な暮らしを継続できるための情報提供もしています。医療機関等との「通訳」のような役割もしますので、このようなことに不安をお持ちの方は訪問看護を利用して生活を整えることをおすすめしています。

訪問看護の利用にあたっては、病気や状態、要介護の状況で「医療保険」の対象となる場合と、「介護保険」の対象となる場合とがあります。詳細は以下に示す通りです。

・医療保険での訪問看護の対象者

小児から高齢者まで在宅で療養中の方が対象ですが、要介護・要支援の認定を受けた方については介護保険が優先です。

ただし、厚生労働大臣が定める疾病等(別表第7)(※)や精神科訪問看護が必要な方(認知症は除く)や病状の悪化等により特別訪問看護指示期間にある方は、医療保険で訪問看護が提供されます。したがって、重症心身障害児者等の方は、医療保険で提供を行います。 
また、別表第7(※1)・第8(※2)の対象者は、退院に向けての試験的な外泊の際にも訪問看護の利用が可能です。入院先の主治医や看護師、医療相談室などにご相談ください。

※1 別表第7(厚生労働大臣が定める疾病等)

  • 厚生労働大臣が定める疾病等(別表第7)にある疾病や状態に該当すれば、週4日以上、かつ、1日2~3回の難病等複数回訪問看護での利用ができます。
  • また、介護保険に申請し、要支援・要介護の介護認定を受けても、この厚生労働大臣が定める疾病等に該当すれば、医療保険での訪問看護となり、介護保険で介護度別に定められた給付限度額を気にすることなく、週4日以上、かつ1日に2~3回の複数回訪問看護の利用ができます。
  • 1日の回数制限はありませんが加算費用が異なります。
  1. 末期の悪性腫瘍
  2. 多発性硬化症
  3. 重症筋無力症
  4. スモン
  5. 筋萎縮性側索硬化症
  6. 脊髄小脳変性症
  7. ハンチントン病
  8. 進行性筋ジストロフィー症
  9. パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって、生活機能障害度がII度又はIII度のものに限る))
  10. 多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症およびシャイ・ドレーガー症候群)
  11. プリオン病
  12. 亜急性硬化性全脳炎
  13. ライソゾーム病
  14. 副腎白質ジストロフィー
  15. 脊髄性筋萎縮症
  16. 球脊髄性筋萎縮症
  17. 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
  18. 後天性免疫不全症候群
  19. 頸髄損傷
  20. 人工呼吸器を使用している状態

※2 別表第8(特掲診療料の施設基準等の各号に掲げる者)

  1. 在宅麻薬等注射指導管理、在宅腫瘍化学療法注射指導管理または在宅強心剤持続投与指導管理若しくは在宅気管切開患者指導管理を受けている状態にある者、または気管カニューレ若しくは留置カテーテルを使用している状態にある者
  2. 在宅自己腹膜灌流指導管理、在宅血液透析指導管理、在宅酸素療法指導管理、在宅中心静脈栄養法指導管理、在宅成分栄養経管栄養法指導管理、在宅自己導尿指導管理、在宅人工呼吸指導管理、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理、在宅自己疼痛管理指導管理又は在宅肺高血圧症患者指導管理を受けている状態にある者
  3. 人工肛門又は人工膀胱を設置している状態にある者
  4. 真皮を越える褥瘡の状態にある者
  5. 在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者

・介護保険での訪問看護の対象者

第1号被保険者と第2号被保険者があります。

第1号被保険者は、65歳以上で、要支援・要介護と認定されたかたです。

また、第2号被保険者は、40歳以上65歳未満の方で、加齢に起因する16特定疾病疾患(※3)の対象者で要支援・要介護と認定されたかたです。

※3 16特定疾病疾患表

  1. 末期がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る)
  2. 関節リウマチ 
  3. 筋萎縮性側索硬化症
  4. 後縦靭帯骨化症
  5. 骨折を伴う骨粗鬆症
  6. 初老期における認知症(アルツハイマー病、脳血管性認知症等)
  7. 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病(パーキンソン病関連疾患)
  8. 脊髄小脳変性症
  9. 脊柱管狭窄症
  10. 早老症(ウェルナー症候群)
  11. 多系統萎縮症
  12. 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
  13. 脳血管疾患(脳梗塞、脳出血等)
  14. 閉塞性動脈硬化症 
  15. 慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎等)
  16. 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症 

 

・医療保険での訪問看護利用料

 ※下記は1割負担の料金です。負担割合に応じて計算できますが、回数によって1~数円変動することがあります。

 

①基本療養費

週3日以内555円/1日
週4日以降655円/1日
専門性の高い看護師の訪問1285円/1日 ※訪問看護師と同行訪問の場合
外泊中の訪問看護850円/1日
複数回訪問看護加算
※1日に複数訪問した場合は基本療養費に加え、右記の加算があります
1日に2回の訪問・・・・・450円
1日に3回以上の訪問・・・800円

②管理療養費

月の初日767円/月の初回訪問日に1回のみ
2日目以降300円/日

 


③24時間対応体制加算652円/1月に一回
④特別管理加算250円又は500円/月に一回 ※状態によりどちらかを算定)
⑤複数名訪問看護加算看護師との同行訪問・・・・・450円/週1回まで
看護補助者との同行訪問・・・300円/週3回まで
※状態によっては回数制限なし
⑥乳幼児加算・乳児加算150円1日につき
⑦長時間訪問看護加算(90分以上)520円/週に1回 ※状態によっては3回まで
⑧緊急訪問看護加算月14日目まで265円、15日目以降200円/日
⑨夜間・早朝訪問看護加算210円/1回につき ※6時~8時・18時~22時
⑩深夜訪問看護加算420円/1回につき ※22時~6時
⑪在宅患者緊急時等カンファレンス加算200円/1月に2回まで
⑫在宅患者連携指導加算300円/1月に1回
⑬退院時共同指導加算800円/退院時に1回 ※状態によっては2回まで
⑭特別管理指導加算200円/退院時に1回 ※状態によっては2回まで
⑮退院支援指導加算600円、または90分以上の場合840円/退院日に1回
⑯ターミナルケア療養費2500円/死亡日を含む2日以上ターミナルケアを行った場合
⑰訪問看護医療DX情報活用加算5円/月、オンライン資格確認によって利用者の訪問看護の実施に関する計画的な管理を行っている事業所
⑱訪問看護ベースアップ評価料78円/月、施設基準を満たす医療関連事業所の職員賃金改善のため
⑲リハビリテーション
  基本療養費(555円/日)+管理療養費(300円/日)です。他の加算は掛かりません。
  ただし、別表7、別表8での処方では、1日複数回訪問・複数名加算の対象になります。

 

※医療保険の対象とならない費用

 ※全額自費での負担になります。

交通費事務所からの片道が4Kmを超える場合、1訪問につき500円
その他の利用料休日の訪問、自宅で亡くなった方のエンゼルケア料など

・介護保険での訪問看護利用料

 *下記は1割負担の料金です。おおよそ負担割合に応じて計算できますが、回数によって1~数円変動することがあります。

 

サービス提供時間要介護要支援
20分未満(※1)350円/回337円/回
30分未満524円/回502円/回
30分~1時間未満916円/回883円/回
1時間~1時間30分未満1255円/回1212円/回

  (※1)20分未満の訪問看護の実施条件
  利用者に対し週1回以上20分以上の訪問看護を実施しており、連絡に応じて訪問看護を24時間行える体制であること。

 

 訪問リハビリテーション提供時間 要介護(1割負担) 要支援(1割負担)
 20分 327円/日 316円/日
 40分 654円/日 630円/日
 60分 880円/日(減算規定あり) 473円/日(減算規定あり)*
 *外出練習など必要に応じて60分超の訪問を実施することはあります。ご相談ください。
 また要支援では開始から12か月を超えると減算があります。

 ※リハビリテーションには下記加算は掛かりません。

 

〇サービス利用料に加算されるもの


退院時共同指導加算病院に出向き、医師や看護師等と共同で退院後の療養生活指導を行った場合、1退院につき1回 (特別な管理を要する場合は2回)667円/回
初回加算新規に訪問看護計画を作成した場合に加算退院当日 390円
翌日以降 334円
緊急時訪問看護加算24時間連絡体制にあり、かつ、計画外の緊急訪問を必要に応じて行なう場合の体制に対する加算639円/月
特別管理加算酸素吸入、点滴等の管理を行った場合
胃瘻、チューブ類の管理、その他厚生労働大臣の定める状態
278円/月
556円/月
長時間訪問看護加算特別管理加算対象者に対し90分以上の訪問看護を実施した場合333円/回
複数名訪問看護加算同時に複数の看護職員が訪問看護を行った場合30分未満…282円/回
30分以上…447円/回
看護・介護職員連携強化加算痰の吸引等について介護事業所と連携して、利用者に係る計画の作成の支援を行った場合278円/月
専門管理加算特定分野の資格を持つ専門性の高い看護職員の訪問278円/回
ターミナルケア加算主治医と連携してターミナルケアを計画的に行なっており、死亡日前 14日以内に2回以上のターミナルケアを行なった場合2780円
サービス提供体制強化加算充実したサービス提供体制として要件をみたした事業所への加算
※月によっては加算されないことがあります。
7円/回

〇その他の利用料

交通費事務所からの片道が4Kmを超える場合、1訪問につき500円
看取りの後のエンゼルケア料15000円(体を清め着替えやお顔を整えます)

*詳細は重要事項説明書を参照してください。

 

訪問看護利用までの流れ

まずは「ゆいか」までお気軽にお問い合わせください。

【受付時間 9:00~17:00】